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のりお/サークル[たんぽぽワンピース]:合同サークル[生ハムまたぎくらぶ]

神になった夢の話

私は都会から田舎に引っ越してきた。
田舎は村社会でよそ者に冷たく、溶け込めず疎外感ばかりを覚えていた。
友達もできるはずがないので、私は森で遊んだ。
すると、よくわからない何かと出会い、遊ぶようになった。
そのよくわからない何かは沼にいて、私は沼で泳いで遊んだ。
森の奥にあるその沼は深く、汚れているわけではないが黒い。水はサラサラしておらず、体に重くまとわりついてくるようだった。
それでも、孤独だった子供の自分には、その何かと過ごす時間は大切で、かけがえのないものだった。


そうするようになってから、月日がどれくらい経ったかはわからない。
沼から上がり、濡れすぼったまま農道を歩いていると、近所に住む奥さんとであった。奥さんは犬を連れていた。
奥さんに挨拶をすると、きょとんとした顔をされた。
誰だったかしら、知らない子だわ
どうやら、よそ者だから冷たくしているというわけではなく、本当に私が誰なのかわからないらしい。
流石に、人に顔を覚えられる程度には、村で過ごしていた。
そこから、どんどん違和感が生まれ始めた。
私が沼で遊べば遊ぶほど、私という存在が人の記憶から消えていく。
私はようやく気付いた。この沼の何かが、よくない存在であることに。
どうやら、村で伝わる祟り神のようなもののようだった。
沼の何かは、次に自分と同じ存在になるものを探していたのだ。
そして役目を終えたら、消え果てるのだろう。
そのことに気付いた時には、もう遅く、私は人の記憶から忘れ去られて、祟り神になった。

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